日本の農業現場でも活用され始めてきたドローン。導入を進める農家も増えてきています。
【これからの農業】をドローンがどう支えて行くのか、今回は「農業 × ドローン」の新たな可能性と、活用することによって得られるメリットを解説していきます。
ドローン導入により実現可能なこととは?
農薬散布の費用を大幅にコストカット
ドローンを農業に活用することで得られる一番のメリットとして、農薬散布費用のコストカットが挙げられます。
農地面積の大きい畑や田んぼなどは無人ヘリコプターを利用している農家も多いですが、無人ヘリコプターは機体購入に1000万を超えるものが多く、導入や維持にコストがかかるというデメリットがありました。
それに比べ、ドローンは無人ヘリコプターに比べ10分の1の値段で機体を購入できます。
散布量も1ヘクタール10Lの農薬散布を10分で行えるので、少ないコストで大きなメリットをもたらしてくれるとあり、導入を検討する農家や組合も増えてきました。
また、ドローンは農薬の他に種子や肥料の散布も可能です。
就農人口の減少や就農者の高齢化などの問題で人材の確保が難しくなっている現場でも、ドローンを活用することで人的リソースの不足をカバーできるという利点があります。
農作物の状態・害獣の被害を監視
ドローンに可視光カメラを設置し飛行することで育成状態を確認でき、ソフトウェアと連携させれば水不足や寄生虫が発生している箇所の特定もできるようになってきています。
害獣被害による農作物の影響は、就農者にとって大きな悩みでもあります。農地面積が大きくなるほど農作物の状態を逐一監視する事が難しくなってくるでしょう。
夜間に活動するイノシシや鹿、サルなどの害獣対策には赤外線サーモグラフィーカメラを設置しドローンによって畑や田んぼを監視させることで、害獣対策に効果的なアプローチをすることが可能になります。
ドローンを活用することで、農作物の管理や収穫率アップに大きく貢献させることができると期待されています。
局所的な農薬散布を行うことで減農薬が可能に
ドローンによって散布できる薬品は農薬だけではありません。
害虫の予防や土壌改良を促す「木竹酢液」などを散布することで、オーガニック栽培や減農薬農法を行う農家も少なくありません。
また、カメラとソフトウェアを利用した栽培管理を利用し、害虫が発生した箇所に局所的に農薬を撒くなどの試みも実施されています。
減農薬栽培により消費者にとって需要の高い作物を作ることで、より収益をアップさせている農家も増えています。
まとめ
このように、すでにドローンを利用しての農薬散布、カメラを利用した減農薬・オーガニック栽培や、自治体での害獣対策など、農業用ドローンを使用して作物の生産性を高める取り組みは広がりつつあります。
ドローンの機体は100万以上かかるものの、導入後に受けられる恩恵も多く、将来的には人件費のコストダウンや生産性のアップにつながると期待されています。